物理ディスクをHyper-Vなどの仮想環境で利用したい場合は、Microsoft SysinternalsのDisk2vhdでVHD/VHDXを作成できます。この記事では、Disk2vhdのダウンロードから変換、Hyper-Vでの利用方法、注意点、うまく変換できない場合の代替策まで解説します。

Disk2vhdとは?

Disk2vhdは、MicrosoftのSysinternalsチームが無償で提供しているP2V(Physical to Virtual)ツールです。Windowsを起動したままボリュームスナップショットを取得し、選択したボリュームのデータをVHD/VHDXファイルとして保存できます。主に、物理マシンを仮想マシンへ移行するP2V変換や、Hyper-Vなどの仮想環境で既存のWindows環境を再現・検証する際に利用されます。

P2Vとは、物理マシン(Physical)上で動作しているOSやデータを、仮想マシン(Virtual)へ移行する技術のことです。Disk2vhdは代表的なP2Vツールの1つで、専用のブータブルメディアを用意することなく、Windowsを起動した状態でVHD/VHDXを作成できるのが特徴です。

Disk2vhdで作成できる仮想ハードディスクには、従来のVHDと、より新しいVHDXがあります。

VHDとVHDXの違い

VHDとVHDXは、どちらも仮想ハードディスクとして使用できるファイル形式ですが、容量や信頼性などに違いがあります。

項目VHDVHDX
登場時期従来の形式Windows Server 2012で導入
最大容量2TB64TB
耐障害性標準的VHDより強化
主な用途古い環境との互換性が必要な場合現在のHyper-V環境
おすすめ度互換性を優先する場合基本的にこちらがおすすめ

特に古い仮想化環境との互換性を必要としない場合は、Disk2vhdの「Use Vhdx」オプションを有効にしてVHDX形式で作成するとよいでしょう。

なお、Disk2vhdは物理ディスク全体を単純にイメージ化するツールではありません。1台の物理ディスクから1つのVHD/VHDXを作成し、その中にはユーザーが選択したボリュームのデータが含まれます。そのため、作成したVHD/VHDXからWindowsを起動したい場合は、システムパーティションやEFIシステムパーティションなど、起動に必要なボリュームも選択する必要があります。

Disk2vhdで物理ディスクをVHD/VHDXに変換する方法

Disk2vhdを使用する前に確認すること

変換に失敗したり、作成したVHD/VHDXを仮想マシンで起動できなかったりするトラブルを避けるため、作業を始める前に以下の点を確認しておきましょう。

  • BitLocker:BitLockerで暗号化されたボリュームには対応していないため、事前に暗号化を解除してください。
  • 保存先の空き容量:VHD/VHDXの保存先に十分な空き容量を確保してください。
  • VHDとVHDX:特別な互換性要件がなければ、より新しいVHDX形式がおすすめです。
  • 起動方式:変換元がUEFI/GPTの場合はHyper-VのGeneration 2、BIOS/MBRの場合はGeneration 1を基本として、元の構成に合わせて選択してください。
  • システムパーティション:Windowsを起動できるVHD/VHDXを作成する場合は、Cドライブだけでなく、システム予約パーティションやEFIシステムパーティションも選択してください。
  • 保存先:可能であれば、変換元とは別の物理ディスクにVHD/VHDXを保存すると、処理速度の低下や空き容量不足を避けやすくなります。

Disk2vhdをダウンロードする

Disk2vhdのダウンロードと実行は簡単です。以下の手順を参考に進めてください。

ステップ1:Sysinternals公式サイトのDisk2vhdダウンロードページにアクセスし、インストールパッケージ(ZIP)をダウンロードします。

ステップ2:ダウンロードしたZIPフォルダーを解凍します。

ステップ3:解凍されたフォルダー内の「disk2vhd64.exe」を右クリックし、「管理者として実行」を選択します。

解凍したフォルダー内のdisk2vhd64.exeを強調表示している様子

Disk2vhdを使ってVHD/VHDXを作成する

Disk2vhdを管理者として起動したら、以下の手順でVHD/VHDXを作成します。

ステップ1:「Disk2vhdライセンス契約」画面が表示されるので、「同意(Agree)」をクリックして続行します。

ステップ2:Disk2vhdが現在のPC上の物理ディスクを自動スキャンし、変換可能なボリュームを一覧表示します。変換したいボリュームにチェックを入れます。OSボリュームに加えてシステム予約パーティションやEFIシステムパーティションも忘れずに選択してください(どのボリュームを選択すればよいか迷った場合は、通常はCドライブと関連する予約パーティションを選べば問題ありません)。

ステップ3:「VHD File name」欄で、VHD/VHDXの保存先とファイル名を指定します(別ディスクへの保存を推奨)。

ステップ4:画面右上の「Use Vhdx」にチェックを入れます。特別な互換性の理由がなければVHDX形式を選ぶのがおすすめです。逆にVirtual PCなど古い環境で使う場合は、このチェックを外し「Prepare for use in Virtual PC」を選択してください。

ステップ5:「Use Volume Shadow Copy」にチェックを入れます。稼働中のシステムに影響を与えず、ファイル使用中のポップアップやデータの不整合を避けながら、一貫性のあるスナップショットを取得できます。

ステップ6:内容を確認し、「Create」をクリックすると変換が開始されます。ディスクの容量や保存先の性能によっては、完了まで数十分かかることもあります。

変換するボリュームを選択し、Use Vhdx/Use Volume Shadow Copyにチェックを入れてCreateをクリックする画面

作成したVHD/VHDXをHyper-Vで使用する

Disk2vhdで作成したVHD/VHDXは、Hyper-Vで仮想マシン(VM)を作成し、仮想ハードディスクとして接続することで利用できます。

ステップ1: Hyper-V マネージャーを開き、「操作」→「新規」→「仮想マシン」をクリックします。

ステップ2:仮想マシンの名前と保存場所を指定し、「世代の指定」画面でGeneration 1またはGeneration 2を選択します。変換元がUEFI/GPT構成ならGeneration 2、BIOS/MBR構成ならGeneration 1が基本です。

ステップ3:「仮想ハードディスクの接続」画面で「既存の仮想ハードディスクを使用する」を選択し、Disk2vhdで作成したVHD/VHDXファイルを指定します。

ステップ4:設定内容を確認して「完了」をクリックし、作成した仮想マシンを起動します。

Disk2vhdでVHD/VHDXを作成できない・起動できない場合

Disk2vhdでVHD/VHDXを作成できない、または作成したVHD/VHDXをHyper-Vで起動できない場合は、以下の原因が考えられます。症状に応じて対処してください。

症状主な原因対処法
VHD/VHDXを作成できない保存先の空き容量不足空き容量の多い別ディスクに保存する
BitLockerで暗号化されたボリュームを変換できないBitLockerによる暗号化BitLockerを無効にし、暗号化解除が完了してから再実行する
VMが起動しないEFI/システム予約パーティションの選択漏れ必要なボリュームをすべて含めてVHD/VHDXを再作成する
VMが起動しないGeneration(Gen1/Gen2)の選択ミスパーティション形式(GPT/MBR)に合ったGenerationを選び直す
変換に時間がかかる保存先ディスクの性能・空き容量不足SSDなど高速な別ディスクへの保存を検討する

Disk2vhdの代替ツール

Disk2vhdは物理マシンをVHD/VHDXに変換するP2Vツールですが、目的によってはディスクコピーやバックアップに特化したツールのほうが適しています。以下のツールは、それぞれ異なる用途で利用できます。

MiniTool Partition Wizard

MiniTool Partition Wizardは、パーティション管理やディスクコピーに対応したディスク管理ソフトです。物理ディスクを別のディスクへコピーできるため、OS移行やHDD/SSDの交換など、物理環境のままデータを移行したい場合に適しています。

注:
システムディスクのコピーには、プロ以上のエディションが必要です。

MiniTool Partition Wizard Freeクリックしてダウンロード100%クリーン&セーフ

MiniTool Partition Wizardの「ディスクコピー」機能

MiniTool ShadowMakerは、システム・ディスク・パーティション・ファイルなどをバックアップできるソフトです。スケジュールバックアップやシステムイメージの復元にも対応しているため、定期的なバックアップやPC環境の復元を重視する場合に適しています。

MiniTool ShadowMaker Trialクリックしてダウンロード100%クリーン&セーフ

MiniTool ShadowMakerの「バックアップ」機能

Clonezilla

Clonezillaは、ディスクやパーティションのクローン・イメージングに対応したオープンソースツールです。複数のPCへ同じ環境を展開する用途にも利用できますが、操作にはある程度の知識が必要です。

ツール主な用途おすすめのユーザー
MiniTool Partition Wizardディスクコピー、OS移行HDD/SSD交換や物理ディスクの移行をしたい人
MiniTool ShadowMakerシステムディスクのバックアップと復元定期バックアップや環境復元をしたい人
Clonezillaディスクのクローン・イメージング無料で大量のPCを展開したい法人・上級者

よくある質問

VHDとVHDXはどちらを選ぶべきですか?
特別な理由がなければVHDXがおすすめです。VHDXは最大64TBまでの大容量に対応し、データ破損にも強い新しい形式です。VHDは、古いVirtual PCなど互換性が必要な場合にのみ選びます。
Disk2vhdで作成したVHDをVMwareで使えますか?
Disk2vhdが出力するVHD/VHDXは基本的にHyper-VやVirtual PC向けの形式で、VMwareでは直接読み込めません。VMware環境で使いたい場合は、VMware純正のP2Vツールを利用するか、VHDをVMDK形式に変換する専用ツールを別途利用する必要があります。
BitLockerで暗号化されたディスクは変換できますか?
いいえ。Disk2vhdは、BitLockerが有効なボリュームの変換には対応していません。事前にBitLockerを無効化し、暗号化解除が完了してから変換を行ってください。

まとめ

本記事では、Disk2vhdで物理ディスクをVHD/VHDXファイルに変換する方法と、Hyper-Vでの使い方、変換・起動できない場合の対処法、そしてDisk2vhdの代替として使えるソフトを紹介しました。BitLockerや空き容量、パーティション形式といった事前確認をしっかり行えば、多くのトラブルは避けられます。

これらの内容がご参考になれば幸いです。また、MiniToolソフトウェアの使用中にご質問・ご意見がありましたら、お気軽に[email protected]までご連絡ください。

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