BitLockerで暗号化されたHDD・SSDをクローンする際、クローン先ではBitLockerが無効になることがあります。MiniTool Partition Wizardなどの対応ツールを使えば、暗号化を維持したままクローンできます。本記事では具体的な手順と、起動しない時の対処法を解説します。

BitLockerで暗号化されたHDD・SSDを新しいドライブに乗り換えたいとき、多くのユーザーが「クローンしたらBitLockerが無効になってしまった」というトラブルに直面します。

実は、BitLockerを無効にせずに暗号化されたドライブをそのままクローンすることは可能です。

クローン後にBitLockerが消えてしまうのはなぜ?

クローン後にBitLockerが無効になったように見えるケースの多くは、クローンを行った時点で元のドライブのロックが解除されていた(データにアクセスできる状態だった)ことが原因です。BitLockerが有効なドライブは、クローン時の状態によって結果が変わります。

  • ロック解除状態でクローンした場合:クローン先のドライブはBitLockerで保護されていない通常のドライブとして認識されます。暗号化を維持したい場合は、クローン後に改めてBitLockerを有効にする必要があります。
  • ロックされた状態でクローンした場合:クローン先のパーティションも引き続きBitLockerで保護された状態(ロック状態)になり、元の回復キーやパスワードでそのままロックを解除できます。

クローンツールには大きく分けて、ファイルシステムを解析して使用中のデータだけをコピーする「スマートクローン」と、ディスク上の0と1をそのまま丸ごと複製する「セクタバイセクタクローン」の2方式があります。BitLockerで暗号化されたドライブはデータの中身が暗号化されているため、スマートクローンではツールがファイル構造を正しく解析できず、多くのソフトはBitLockerを無効化してから処理する仕様になっています。

一方、セクタバイセクタクローンはデータを解読する必要がないカメラのような複製方式のため、暗号化を維持したままコピーできます。ただし、この方式は空き領域も含めてディスク全体を複製するため、通常はターゲットディスクに元と同じかそれ以上の容量が必要です。

BitLockerで暗号化されたドライブのクローンを作成する前にすべきこと

BitLockerで暗号化されたドライブをSSD にクローンする前に、いくつかの準備作業が必要です。詳細は次のとおりです。

  • 容量が少なくともBitLockerで暗号化されたディスクより大きい空いているSSDを用意します。
  • BitLockerが有効なまま、BitLocker暗号化ドライブを安全かつ確実にクローンできるディスククローンソフト
  • 電源は入れたままにしておきます。 突然の停電により、データが失われる可能性があります。

それでは、Windows 10/11 で BitLockerで暗号化されたドライブをSSDに安全にコピーする方法を確認しましょう。

Windowsで BitLockerで暗号化されたドライブをSSDにクローンする方法

ここでは、ロックされた状態のBitLockerドライブを、より大容量のSSDにクローンする基本的な手順を紹介します。

今回使用するMiniTool Partition Wizardは、ディスクのクローン作成やパーティション管理ができる多機能ソフトです。BitLocker管理機能も内蔵しているため、暗号化の解除や再設定もこのソフト1つで完結できます。

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注:
クローン対象のBitLockerディスクがシステムドライブである場合は、MiniTool Partition Wizardのプロ版以上が必要です。

ステップ1:複数のディスクトレイがある場合は、用意したSSDをコンピュータに慎重に取り付けます。

提示:
コンピュータに1つのディスクトレイしかない場合は、適切なアダプターを介してSSDをコンピュータに接続することもできます。暗号化されたドライブのクローンが完了したら、SSDを元のドライブと交換することができます。

ステップ2:MiniTool Partition Wizardを起動してメインインターフェイスに入ります。

ステップ3:上部のツールバーから「ディスクコピー」ウィザードをクリックして「次へ」をクリックします。

MiniTool Partition Wizardのディスクコピーウィザード開始画面

ステップ4:コピーするBitLockerで暗号化されたドライブを選択し、「次へ」をクリックして続行します。

MiniTool Partition Wizardでコピーするディスクを選択する画面(BitLockerパーティションを含むディスク0を選択)

ステップ5:新しいSSDをターゲット ディスクとして選択し、「次へ」をクリックします。ターゲット ドライブ上のすべてのデータが破壊されるという警告が表示されたら、「はい」をクリックして確認します。

MiniTool Partition Wizardで行先ディスクを選択し、データ消去の警告メッセージが表示された画面

ステップ6:コピー オプションを選択し、SSDのレイアウトを調整して「次へ」をクリックします。

MiniTool Partition Wizardでコピーオプションとパーティションサイズの変更項目を確認する画面
注:
暗号化されたGPT ディスクをMBR ディスクにコピーする場合、ターゲットは自動的に GPT ディスクに変換されます。 GPT ディスクから起動するには、BIOS モードを UEFI に変更する必要があります。

ステップ7:ポップアップウィンドウのメモを読み、「完了」をクリックします。

ステップ8:メインインターフェイスに戻ったら「適用」をクリックして保留中の操作を実行します。

MiniTool Partition WizardでBitLockerパーティションを含むディスクコピーの操作を適用する画面

完了したら、Win + E キーを押してエクスプローラーを開き、暗号化されたドライブがSSDに正常にクローン作成されたかどうかを確認できます。

コピー先のSSDがBitLockerで暗号化されたドライブより小さい場合

ターゲットSSDの容量が暗号化されたドライブより小さい場合、通常の方法ではそのままクローンできないことがあります。

その場合は、以下の手順に従って、まずBitLockerを解除してから、通常の方法でクローンを行い、クローン後に改めてBitLockerを有効化してください。

#1. ハードディスクからBitLocker暗号化を無効する

ステップ1:MiniTool Partition Wizardを起動し、メイン画面を開きます。

ステップ2:対象のドライブを右クリックし、「BitLocker管理」を選択します。

MiniTool Partition WizardでBitLockerで暗号化されたFドライブを右クリックし、BitLocker管理メニューを表示した画面

ステップ3:表示されたウィンドウで「ロック解除」をクリックします。

MiniTool Partition WizardのBitLocker管理画面で「ロック解除」ボタンを選択する画面

ステップ4:表示された小さなポップアップウィンドウにパスワードを入力し、「ロック解除」をクリックします。

MiniTool Partition WizardでBitLockerドライブFのロック解除のためパスワードを入力する画面

ステップ5:ロックが解除されたら、「無効化」をクリックします。新たに表示されたウィンドウで「はい」をクリックし、操作を確定します。

MiniTool Partition WizardでドライブFのBitLockerを無効にするかどうかの確認メッセージ

BitLockerの無効化が完了したら、次はドライブを通常とおり小さいSSDへクローンする作業に進みます。

#2. ドライブを小さいSSDにクローンする

ディスクをクローンするには、ターゲットディスクの容量が、ソースドライブの使用済み容量より大きい必要があります。条件を満たしていれば、MiniTool Partition Wizardの「ディスクコピー」機能を通常どおり使用し、パーティションサイズを自動調整しながらSSDにクローンできます。

MiniTool Partition WizardでBitLocker解除後、ディスク0からディスク1へのコピー操作を適用した結果画面

なお、ディスク全体ではなく BitLockerで暗号化されたパーティションのみをコピーする場合は、ドライブを選択し、左側のパネルで「パーティション コピー」をクリックし、画面上の指示に従ってプロセスを完了します。

MiniTool Partition Wizardのパーティションコピー機能でコピー先の未割り当て領域を選択する画面

クローンが完了したら、最後にドライブを保護するためBitLockerを再度有効にしましょう。

#3. BitLocker 暗号化を再度有効にする

クローンしたドライブを暗号化したい場合は、以下の詳細な手順に従って操作してください。

ステップ1:MiniTool Partition Wizardで対象ドライブを右クリックし、「BitLocker管理」をクリックします。

ステップ2:新しい画面で「BitLockerを有効にする」をクリックします。

MiniTool Partition WizardのBitLocker管理画面でクローン後のドライブLに対しBitLockerを再度有効にするボタン

この後の手順はWindowsでのBitLocker有効化方法は同じです。

クローン後にBitLockerドライブから起動しない場合の対処法

クローンが完了しても、まれに新しいドライブから正常に起動しないことがあります。主な原因と対処法は次のとおりです。

  • 起動順序を確認する:BIOS/UEFI画面でBoot Order(起動順序)を開き、新しいSSDが最優先になっているか確認します。
  • パーティションのアクティブ状態を確認する:クローン後のシステムパーティションが「アクティブ」になっているか確認します。なっていない場合は、diskpartコマンドなどでアクティブに設定します。
  • GPT/MBRとBIOSモードの一致を確認する:暗号化されたGPTディスクをコピーした場合は、BIOSモードをUEFIに変更する必要があります。MBRディスクの場合はレガシーBIOS(CSM)モードのままで問題ありません。
  • 接続を確認する:SSDが正しく認識されているか、SATA/M.2の接続や電源ケーブルに緩みがないかを確認します。
  • 元のドライブを一旦取り外す:元のHDDと新しいSSDを同時に接続していると、Windowsがどちらから起動するか正しく判断できないことがあります。クローン完了後は元のドライブを取り外してから起動テストを行いましょう。

それでも起動しない場合は、BitLockerの回復キーを使ってドライブのロックを解除したうえで、クローン作業をやり直すことをおすすめします。

よくある質問(FAQ)

BitLockerで暗号化されたドライブはそのままクローンできますか?
はい。MiniTool Partition Wizardのような対応ツールを使えば、暗号化を解除せずにBitLockerドライブをそのままクローンできます。ただし、暗号化を維持するには、クローン時にドライブがロックされた状態である必要があります。また、ターゲットドライブの容量が元のドライブより小さい場合は、事前にBitLockerを無効にする必要があります。
クローン後にBitLockerが自動的に無効になるのはなぜですか?
最大の原因は、クローンを行った時点で元のドライブのロックが解除されていたことです。ロック解除状態でクローンすると、クローン先はBitLockerで保護されていない通常のドライブとして認識されます。これはクローン方式の違い(スマートクローン/セクタバイセクタクローン)にも関係しており、ファイルシステムを解析してコピーする「スマートクローン」では暗号化されたファイル構造を正しく認識できないため、安全のため自動的にBitLockerを無効化する仕様のツールもあります。無効化を避けたい場合は、ドライブをロックした状態で、セクタバイセクタクローンに対応したツールを使用してください。
HDDとSSDでBitLockerドライブのクローン方法に違いはありますか?
ディスクコピー機能を使う基本的な手順は、HDD→SSD、SSD→SSDのいずれでも同じです。SSDへ換装する場合は、クローン後に4Kアライメントの最適化とTRIM機能が有効になっているかも確認すると、読み書き速度の低下を防げます。
クローンの際にBitLockerの回復キーは必要ですか?
ドライブがロック解除された状態であれば、回復キーがなくてもクローンは可能です。ただし、クローン後の環境によっては再度ロックがかかる場合があるため、念のため回復キーを事前に確認・保管しておくと安心です。

まとめ

本記事では、MiniTool Partition WizardによるBitLocker暗号化ドライブのクローン方法について、ロック状態でのクローン手順、ターゲットSSD容量が不足する場合の対処法、クローン後に起動しない場合のトラブルシューティングを解説しています。BitLocker暗号化ドライブをクローンしたい方はぜひ試してください。

なお、MiniTool Partition Wizardの使用中に何かご不明な点やご意見がございましたら、お気軽に[email protected]までご連絡ください。

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