PCIとPCIeは、パソコンの拡張カードを接続するためのバス規格です。PCIは旧世代規格、PCIeは高速通信に対応した現行の主流規格として利用されています。MiniTool Partition Wizardのこの記事では、PCIとPCIeの違い、転送速度、互換性、スロットの見分け方を初心者向けにわかりやすく解説します。

PCIとPCIeとは?基本情報を解説

コンピュータでは、異なるデバイス間でデータを交換するには、特定のチャネル、つまりバスを通過する必要があります。バスは、コンピュータのさまざまな機能部品間で情報を転送するための共通の通信幹であり、ワイヤで構成された伝送用ワイヤーハーネスです。PCIとPCIeは、コンピュータのバス規格の2つです。

PCIとは?

PCI(Peripheral Component Interconnect)は、PC内部で拡張カードを接続するためのローカルバス規格です。2000~2010年頃のマザーボードでは、「ノースブリッジ」と「サウスブリッジ」によって各デバイスが制御されていました。

North-South Bridge チップ構造

この構造では、CPUとノースブリッジがFSB(フロントサイドバス)で接続され、メモリやAGPグラフィックスカードなどの高速デバイスとの通信を担当していました。一方、サウスブリッジは、ハードディスク、キーボード、USB機器、拡張カードなどの低速デバイスを制御します。

PCIバスはサウスブリッジ側に配置され、主にネットワークカード、サウンドカード、SCSIカードなどの接続に使用されていました。

注:
PCIスロットにグラフィックスカードを接続することも可能でしたが、転送速度が遅いため、後にAGPへ置き換えられました。

PPCIeとは?

PCIe(PCI Express)は、PCIおよびAGPの後継となる拡張バス規格です。現在では、グラフィックスカード、NVMe SSD、ネットワークカードなど、多くの高速デバイスで利用されています。

PCIeを採用した現在のマザーボードでは、ノースブリッジ機能の多くがCPUへ統合されています。そのため、GPUやメモリはCPUへ直接接続される構成が一般的です。以下は、2018 年10月 8日に発売された Intel Z390マザーボードの構造図です。

Intel Z390 マザーボードの構造

また、PCIeはグラフィックスカードだけでなく、M.2 NVMe SSDなどの高速ストレージにも使用されています。

一般的なPCでは、PCIe SSDはチップセット(PCH)経由でCPUへ接続されます。ただし、一部の高性能構成では、PCIeレーンを介してCPUへ直接接続される場合もあります。

PCIe SSDは他のデバイスと帯域幅を共有することがありますが、それでもSATA SSDより高速なデータ転送が可能です。

【M.2 SSD vs SATA SSD】どちらのSSDを選ぶべきか
【M.2 SSD vs SATA SSD】どちらのSSDを選ぶべきか

SSDの規格にはM.2とSATAがありますが。M.2とSATAの違いは?また、PCを自作する時、どっちが良いか?つづいて、ご説明していきます。

もっと見る

PCIとPCIeの違いを比較

PCIとPCIeは、どちらも拡張カードを接続するためのバス規格ですが、スロット形状、転送速度、互換性などに違いがあります。

比較項目PCIPCIe
スロット形状が長く種類が少ないx1/x4/x8/x16など複数種類
速度比較的低速高速通信に対応
互換性PCIeと互換性なしPCIと互換性なし

スロットの違い

ここでは、PCIスロットとPCIeスロットの違いについて説明します。

PCIスロットには、主に「32ビット(124ピン)」と「64ビット(188ピン)」の2種類があります。32ビット版は一般的なデスクトップPCで広く使用され、64ビット版は主にサーバー向けシステムで利用されていました。

PCI スロット

一方、PCIeスロットには、x1、x2、x4、x8、x12、x16、x32など複数の種類があります。「x」はレーン数を表しており、数値が大きいほど帯域幅も広くなります。

ただし、PCIe x32やPCIe x12は主に特殊用途やサーバー向けであり、一般的なPCで使用されることはほとんどありません。また、PCIe x2は拡張スロットとしてではなく、主に内部インターフェイスやM.2接続で使用されます。

そのため、現在のコンシューマ向けマザーボードで主流となっているのは、PCIe x1 / x4 / x8 / x16の4種類です。

  • PCIe x16スロット:最も長いスロットで、主にグラフィックスカード(GPU)の接続に使用されます。また、x1 / x4 / x8 デバイスとの下位互換性があります。
  • PCIe x8スロット:主に高性能ネットワークカードや一部の拡張カードで使用されます。物理的にはx16スロット形状を採用している場合もありますが、実際の帯域幅はx16の半分です。
  • PCIe x4スロット:PCIe SSDやM.2 NVMe SSDの接続によく使用されます。現在では、多くのマザーボードでM.2スロットとして提供されています。
  • PCIe x1スロット:最も小型のPCIeスロットで、ネットワークカード、サウンドカード、USB拡張カードなどに使用されます。
PCI-E x1 / x4 / x8 / x16 スロット

転送速度の違い

PCIとPCIeの大きな違いの一つが、データ転送速度です。PCIeが現在の主流規格となっている理由も、高速通信に対応しているためです。

32ビットPCIの最大転送速度は133MB/s、64ビットPCIでは266MB/sです。一方、PCIeは「レーン数(x1/x4/x8/x16)」や「世代(Gen1~Gen5)」によって速度が大きく異なります。たとえば、現在広く使用されているPCIe 3.0では、PCIe x1でも64ビットPCIを上回る転送速度を実現できます。

PCIe パフォーマンス

PCIとPCIeの速度を比較すると、PCIeの方が圧倒的に高速であり、現在ではPCIにほぼ完全に置き換わっています。

互換性の違い

PCIとPCIeでは、スロット形状や通信方式が異なるため、互換性にも違いがあります。

  • PCIの互換性:64ビットPCIスロットは32ビットPCIカードとの互換性がありますが、32ビットPCIスロットでは64ビットPCIカードを使用できません。
  • PCIeの互換性:①一般的に、レーン数が多い長いスロットは、短いPCIeカードとの互換性があります。たとえば、PCIe x16スロットには、PCIe x1・x4・x8カードを装着できます。ただし、PCIe x1スロットにx16カードを挿入することはできません。②異なる世代間では基本的に下位互換性があります。たとえば、PCIe 3.0デバイスをPCIe 4.0スロットで使用することは可能です。ただし、動作速度は下位バージョン側に制限されます。
  • PCIとPCIeとの互換性:PCIとPCIeは、スロット形状と通信方式が異なるため、基本的に互換性はありません。

OSをPCIe SSDへ移行する方法

PCIe SSDは、従来のSATA SSDやHDDよりも高速なデータ転送が可能です。そのため、OSをPCIe SSDへ移行することで、PCの起動速度やアプリの読み込み速度を向上させることができます。

MiniTool Partition Wizardを利用して、Windows OSをPCIe SSDへ移行できます。OSを再インストールする必要がないため、環境をそのまま維持したままストレージをアップグレード可能です。

詳細手順は以下のとおりです。

ステップ1:MiniTool Partition WizardをダウンロードしてWindows PCにインストールします。

MiniTool Partition Wizard Pro Demoクリックしてダウンロード100%クリーン&セーフ

ステップ2:ソフトを起動してそのメインインターフェースに入ります。

ステップ3:画面左側のアクションパネルの「OSをSSD/HDDに移行」オプションをクリックします。

MiniTool Partition Wizardの「OSをSSD/HDDに移行」機能

ステップ4:移行方式を選択して「次へ」をクリックします。

オプションA:システムディスク上のすべてのデータ(システムパーティションと個人用ファイルを含む)を新しいドライブにコピーしたい場合に選択してください。

オプションB:オペレーティング システムのみ(システム関連のパーティション)をコピーしたい場合に選択してください。個人用ファイルが元のディスクに残されます。

MiniTool Partition Wizardでのos移行方式の選択画面

ステップ5:移行先(ここは新しいSSD)を選択して「次へ」をクリックします。

ステップ6:警告ウィンドウがポップアップ表示されたら、それを読み、「はい」をクリックします。

ステップ7:適切なコピーオプションを選択し、ターゲットディスクのレイアウトを調整して「次へ」をクリックします。

  • パーティションをディスク全体に合わせる:コピー内容はソースディスクのパーティション割合を基づいて調整してターゲットディスク全体を埋めます。ターゲットディスクの容量がソースディスクより小さい場合に推奨されます。
  • パーティションをサイズ変更せずにコピーする:ソースディスク上のすべてのパーティションが、サイズや場所を変更せずにターゲットディスクにコピーされます。
  • パーティションを1 MBに調整する:これは4Kアラインメントであり、SSDのパフォーマンスを向上させるために推奨されます。
  • 先行ディスクにGUIDパーティションテーブルを使用する:MBRは最大で2TBのディスク領域しか認識および使用できません。このオプションではMBRをGPTに変換できるため、ユーザーは2 TBを超えるディスク領域を使用できます。
MiniTool Partition Wizardのコピーオプションの画面

ステップ8:注意事項を読み、「完了」をクリックします。

ステップ9:メインインターフェースの「適用」をクリックして保留中の操作を実行します。

ステップ10:MiniTool Partition Wizardは再起動を要求したら、「今すぐ再起動」をクリックします。

まとめ

この記事では、PCIとPCIeの基本情報を紹介し、スロット形状、転送速度、互換性の違いについて解説しました。
また、MiniTool Partition Wizardを使用してOSをPCIe SSDへ移行する方法も紹介しました。MiniTool製品の使用中にご不明な点がある場合は、[email protected] までお気軽に お問い合わせください。

PCIとPCIeの違い:よくある質問(FAQ)

PCIとPCIeの違いは何ですか?
PCIとPCIe(PCI Express)の主な違いは、スロット形状、転送速度、互換性です。
PCIeはPCIより高速なデータ転送に対応しており、現在のパソコンではGPUやNVMe SSDなど多くのデバイスで利用されています。
PCIカードをPCIeスロットに挿せますか?
いいえ。PCIとPCIeはスロット形状と通信方式が異なるため、基本的に互換性はありません。そのため、PCIカードをPCIeスロットへ直接装着することはできません。
PCIe x1・x4・x8・x16 の違いは何ですか?
主な違いはレーン数と帯域幅です。数字が大きいほど、より高速なデータ転送に対応できます。
一般的に、PCIe x16はグラフィックスカード、PCIe x4はNVMe SSD、PCIe x1はサウンドカードやネットワークカードなどに使用されます。
PCIe SSDとSATA SSDはどちらが速いですか?
一般的に、PCIe SSD(NVMe SSD)の方がSATA SSDより高速です。特に、大容量データの読み書きやゲームのロード時間短縮などで性能差が現れます。
  • reddit