PC起動時に「Please enter setup to recover BIOS setting」と表示される場合、主な原因はCMOS電池切れ、BIOS設定の不一致、BIOSの問題などが考えられます。本記事では、起動順序の変更、BIOS更新、CMOSリセットなどの解決方法を紹介します。
パソコンの電源を入れた直後、黒い画面に「Please enter setup to recover BIOS setting」という英語のメッセージが表示され、そこから先に進まなくなった――そんな経験はありませんか。特にASUSなど、American Megatrends(AMI)製のBIOSを搭載したパソコンでよく見られる症状です。

この画面は、American Megatrends(AMI)製BIOSが表示する警告メッセージです。「Please enter setup to recover BIOS setting」と表示される場合、BIOS設定が初期化されたり、ハードウェア構成との不一致が発生したりしている可能性があります。F1キーを押してBIOS設定を確認することで、多くの場合は原因を特定できます。
「Please enter setup to recover BIOS setting」が表示される原因
このエラーは、CMOS電池の消耗やBIOS設定の不一致、ハードウェア構成の変更などによって発生することがあります。詳細は以下の表で確認しましょう。
| 原因 | 説明 | 対処法 |
| 一時的な誤作動 | 直前のシャットダウンや強制終了などにより、一時的な不具合で正常起動を検知できないことがある | まず確認すべきこと(再起動) |
| 周辺機器との相性・接続不良 | 外付けHDD/USBメモリ/特殊なキーボードやマウスなどが、BIOSの起動確認を妨げることがある | まず確認すべきこと(周辺機器の確認) |
| 起動順序とハードウェア構成の不一致 | ドライブの増設・取り外し・交換をしたのに、BIOS側の起動順序の記録が更新されていない | 対処法1.起動順序を確認する |
| Secure Boot/CSMなど起動関連設定の不整合 | UEFI/レガシー起動の設定が、現在のハードウェアや起動方式と合っていない | 対処法2.Secure BootとCSMを見直す |
| BIOSのバージョンが古い | 古いBIOSは、新しく追加・交換したハードウェアとの互換性問題を起こしやすい | 対処法3.BIOSをアップデートする |
| SATAコントローラーの動作モードの問題 | IDE/AHCI/RAIDのモード設定が、ドライブの実際の状態と合っていない | 対処法4.SATAモードをAHCIに変更する |
| CMOS電池切れ・劣化 | マザーボード上のボタン電池が消耗し、BIOS設定を保持できなくなっている | 対処法5.CMOS電池を交換する |
| BIOS設定自体の破損 | 静電気や電源トラブルなどにより、BIOSの設定情報自体が壊れている(発生頻度は比較的低い) | 対処法6.CMOSをクリアする(上級者向け) |
まず確認すべきこと
複雑なトラブルシューティングを行う前に、まず以下の2点を確認してください。これだけの手順でエラーが解決されることがあります。
再起動する
「Please enter setup to recover BIOS setting」エラーは、最近の操作によって引き起こされた一時的な不具合が原因である可能性があります。まず、パソコンを再起動してシステムをリフレッシュし、問題が解決したかどうかを確認してください。
それでも問題が解決しない場合は、周辺機器を確認するか、後述の対処法に進んでください。
周辺機器を確認する
外付けHDD/SSD、USBメモリ、専用キーボード/マウス、ドッキングステーションなどのデバイスを接続すると、BIOSの起動プロセスに干渉し、システムが正常に起動しなくなる可能性があります。
すべてのUSBデバイスと外付けドライブの接続を解除し、電源ケーブルとディスプレイの接続のみを残した状態でシステムを再起動し、問題が改善されるか確認してみましょう。
「Please enter setup to recover BIOS setting」の対処法
再起動や周辺機器の確認を行っても問題が解決しない場合は、以下の対処法を順番に試してください。なお、BIOS やハードウェアの設定を誤って変更すると、パソコンが起動しなくなる恐れがあります。そのため、操作を行う前に可能な限りデータのバックアップを取ることをお勧めします(詳細については「解決策 3」を参照してください)。
対処法1.起動順序を確認する
ドライブを追加・交換した後や、外付けドライブを取り外した場合、BIOS に保存されているブート順序が実際のハードウェア構成と一致していないと、このエラーが発生する可能性があります。これは、システムが BIOS 画面でフリーズする(例えば ASUS システムなど)一般的な原因でもあります。
以下の手順に従って、システムドライブが優先ブート項目として設定されていることを確認してください。
ステップ1.パソコンを再起動し、対応するBIOSキー(メーカーにより異なりますが、Del、F2、F10などが一般的です)を押して、Windows PCでBIOSセットアップ画面を開く方法を参考にBIOS画面に入ります。
ステップ2.左右矢印キーで「Boot」タブに移動します。
ステップ3.起動順序を変更します。矢印キーで項目を選び、「+」またはPage Upで上へ、「-」またはPage Downで下へ移動、Enterで選択します。システムディスク(「Windows Boot Manager」や内蔵SSD/HDDの名称)を最上位に設定してください。
ステップ4.F10キーを押し、「Yes」を選択(またはEnter)して設定を保存し、終了します。
対処法2.Secure BootとCSMの設定を見直す
Secure BootやCSM(Compatibility Support Module。UEFIブートとレガシーブートの互換性を管理する項目)の設定が、現在のハードウェアや起動方式と合っていないことが原因になっている場合があります。なお、CSMは古いマザーボードや、UEFIブートのみに対応した最近の機種では表示されないこともあります。
該当設定が見つからない場合は、次の対処法に進んでください。CSMの機能に関する詳細については、CSMのサポート機能およびBIOSでの有効化方法に関する説明を参照してください。
ステップ1.PCのBIOSセットアップ画面に入ります。
ステップ2.「Security」タブ(Security Optionsなど)で「Secure Boot」を「Disabled」に設定します。
ステップ3.変更を保存してPCを再起動し、再度BIOSに入ります。
ステップ4.「Boot」タブで「Fast Boot」を「Disabled」に、「Launch CSM」(または「CSM Support」)を「Enabled」に設定します。
ステップ5.すべての変更を保存してPCを再起動し、エラーが解消しているか確認します。
対処法3.BIOSを最新バージョンにアップデートする
BIOS のバージョンが古い場合、新たに追加または交換されたハードウェアとの互換性の問題により、このエラーが発生する可能性があります。現在のBIOSバージョンの確認方法や更新手順については、Windows 10でBIOSをアップデートする方法とバージョンの確認手順で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。
無料のディスク管理ソフト「MiniTool Partition Wizard」を使えば、ディスク全体を数クリックで外付けドライブにまるごとコピーでき、BIOSアップデートなど万一のトラブルにも備えられます。動作が軽く、初めてでも操作しやすいのが特長です。
MiniTool Partition Wizard Freeクリックしてダウンロード100%クリーン&セーフ
ステップ1.上のボタンからMiniTool Partition Wizardをダウンロードし、Windows PCにインストールします。
ステップ2.バックアップ用の外付けストレージデバイスをパソコンに接続してから、ソフトを起動します。
ステップ3.メイン画面左側のサイドバーから「ディスクコピー」ウィザードをクリックします。

ステップ4.コピー元ディスクを選択して「次へ」をクリックします。

ステップ5.保存先ディスク(接続した外付けドライブ)を選択して「次へ」をクリックします。保存先ディスクのデータはすべて消去されるため、事前に内容を確認してください。

ステップ6.必要に応じてコピーオプションとディスクレイアウトを設定し、「次へ」→「完了」の順にクリックしてメイン画面に戻ったら、「適用」→「OK」の順にクリックしてコピーを実行します。

バックアップが完了したら、先ほどの手順でBIOSバージョンを確認し、最新版へアップデートしてください。アップデート後は必ずPCを再起動し、エラーが解消したか確認しましょう。
対処法4.SATAモードをAHCIに変更する
AHCI(Advanced Host Controller Interface)は、NCQ(ネイティブ・コマンド・キュー)やホットプラグなどの機能をサポートする動作モードであり、SATAインターフェースを備えたストレージデバイスに適しています。SATAモードの設定が実際のストレージ構成と一致していないことが原因でエラーが発生している場合、AHCIモードに切り替えることで問題が解決する可能性があります。
ステップ1.ショートカットキー(メーカーによりF2、F10、F12、Delなど)でBIOSセットアップ画面に入ります。
ステップ2.「Boot」タブで「Launch CSM」を「Enabled」に設定します(項目がない場合はそのまま次に進みます)。
ステップ3.「SATA Mode Selection」(または「SATA Configuration」)の項目を「AHCI」に変更します。
ステップ4.変更を保存してPCを再起動し、エラーが解消したか確認します。
対処法5.CMOS電池を交換する
CMOS バッテリー(マザーボード上のボタン型電池)の電力が不足していると、BIOS が設定を保存できなくなり、エラーが出てF1 キーを押して設定を行うよう促されたりする場合があります。以下の手順に従ってバッテリーを交換することをご検討ください。
ステップ1.パソコンの電源を切り、電源コードやバッテリーをすべて取り外します。
ステップ2.金属部分に触れるなどして体の静電気を逃がしてから、ケースを開けてマザーボードを確認します。デスクトップPCは側面パネル、ノートPCは底面パネルを外します。
ステップ3.コイン形のCMOS電池(多くはCR2032)を取り外します。取り外し方は機種によって異なるため、不明な場合は製品マニュアルを確認するか、メーカーサポートに相談してください。
ステップ4.同型の新しい電池に交換し、元通りに組み立てます。
ステップ5.電源を入れてBIOSセットアップ画面に入り、日時などの設定をやり直します。「Boot」タブに「Wait For “F1” If Error」の項目がある場合は、無効にしておくと、次回以降エラー表示で起動が止まりにくくなります。
ステップ6.F10キーで設定を保存して終了し、エラーが解消したか確認します。
対処法6.CMOSをジャンパーでクリアする(上級者向け)
上記の方法を試しても問題が解決しない場合、最後の手段としてジャンパーピンを使用してCMOSをクリアします。ただし、ジャンパーの位置やクリアの手順はマザーボードのモデルによって異なり、誤った操作を行うと故障や部品の破損につながる可能性があります。必ずマザーボードの取扱説明書に記載されている正しい手順を確認し、慎重に行ってください。操作に自信がない場合は、メーカーのテクニカルサポートまたは専門の修理サービスに連絡することを強くお勧めします。決してご自身で試さないでください。
一般的な手順は以下の通りです:
ステップ1.パソコンの電源を切り、電源コードをコンセントから抜きます。
ステップ2.電源ボタンを数回押して、基板内に残った電力(コンデンサに蓄えられた電気)を放電します。
ステップ3.ケースを開けてマザーボードを確認します。
ステップ4.製品マニュアルを参照し、CMOSクリア用ジャンパー(「CLRTC」「CLR_CMOS」などと表記されることが多い)の位置と、クリア用のピン位置を確認します。
ステップ5.マニュアルの指示に従ってジャンパーの位置を一時的に切り替え、指定された時間(機種により数秒〜数分程度)待ってから、元のデフォルト位置に戻します。
ステップ6.ケースを閉じて電源を入れ、BIOSセットアップ画面で日時などの設定をやり直します。
なお、CMOSのクリアはハードウェア的な設定のリセットであり、ディスク内のファイルやデータが削除されるわけではありません。とはいえ、ケースを開ける作業には静電気や接触不良のリスクが伴うため、不安な場合は対処法3で紹介したバックアップを済ませておくとより安心です。
よくある質問(FAQ)
まとめ
「Please enter setup to recover BIOS setting」は、ASUSなどのAMI BIOS搭載PCで発生することがあるエラーです。多くの場合、再起動や起動順序の確認で解決できますが、改善しない場合はBIOS更新やCMOS設定の変更を試してください。
BIOS関連の作業にはリスクがあるため、事前にMiniTool Partition Wizardなどでディスクをバックアップしておくと安心です。
なお、MiniTool Partition Wizardの使用中に何かご不明な点やご意見がございましたら、お気軽に[email protected]までご連絡ください。
