Adobe Photoshop(PS)は、プロ仕様の画像処理ソフトウェアです。豊富な編集・描画ツールを備え、グラフィックデザイン、Webデザイン、写真のポストプロダクション、ビジュアルクリエイティビティなど、幅広い分野で利利用されており、多くのユーザーから高く評価されています。
しかし、「仮想記憶ディスクの空き容量がありません」というエラーに遭ったユーザーも少なくなりません。でも幸いなことに、このエラーに対処する解決策はないわけではありません。本記事では、Photoshopの仮想記憶ディスクとは何か、このエラーを引き起こす理由、そして役に立つ解決方法を詳しく説明します。
Photoshopの仮想記憶ディスクとは?
Photoshopで「仮想記憶ディスクの空き容量がありません。」というエラーが表示される場合、Photoshopが一時保存先として使用しているハードディスク(仮想記憶ディスク)の空き容量が不足していることを意味します。このエラーが発生すると、Photoshopが動作しなくなり、クラッシュやフリーズが発生する可能性もあります。
この状況でPhotoshopを操作すると、以下のようなエラーメッセージが表示されることがあります。
- Photoshopを初期化できません。仮想記憶ディスクの空き容量がありません。
- コマンドを完了できません。仮想記憶ディスクの空き容量がありません。
- 「xx.psd」を開けません。仮想記憶ディスクの空き容量がありません。
- 要求された操作を完了できませんでした。仮想記憶ディスクの空き容量がありません。
仮想記憶ディスクとは、Photoshopが一時保存先として使用するハードドライブのことです。Photoshopはデフォルトで、OSがインストールされているドライブ(通常はCドライブ)をプライマリ仮想記憶ディスクとして使用します。必要があれば、外付けドライブなど別のドライブをセカンダリ仮想記憶ディスクとして設定して使用することもできます。
Photoshopで複雑な画像処理を行う際、プログラムが必要なデータをコンピューターのRAM(ランダムアクセスメモリ)にすべて保存できない場合があります。
このような場合では、仮想記憶ディスクが使われ、ドキュメントの一部、履歴状態、メモリに収まりきらない画像データなどの一時ファイルを保存します。
しかし、仮想記憶ディスクに十分な空き容量がないと、Photoshopの応答が遅くなったり、フリーズやクラッシュ、あるいは操作中のエラーが発生する可能性があります。
Photoshopの仮想記憶ディスクがいっぱいになった理由
Photoshopの仮想記憶ディスクがいっぱいになった問題は通常、ディスク容量不足、一時ファイル過多、仮想記憶ディスクの設定ミス、他のアプリによるディスク容量の占有など、さまざまな原因から引き起こす可能性があります。
次では、これらの原因について詳しく説明します。
#1.ディスク容量不足
仮想記憶ディスクに設定されたドライブの空き容量が不足しているのが、最も直接的な原因です。
Photoshopで扱うプロジェクトが増えるほど、仮想記憶ディスクに保存される一時ファイルが蓄積されていきます。不要なファイルを定期的に削除していなかったり、そもそも仮想記憶ディスクの容量が小さかったりすると、すぐにいっぱいになってしまう可能性があります。
#2.一時ファイルの過多
Photoshopは動作中に多くの一時ファイルを生成します。これらのファイルは、編集後の取り消しを行ったり、な編集途中の状態を保持したりするために使われます。
しかし、長期間Photoshopを使っていると、これらの一時ファイルが積み重なり、ディスク容量を大きく消費する可能性があります。つまり、不要な一時ファイルを削除せずに放置しておくと、仮想記憶ディスクがすぐにいっぱいになってしまう可能性が高いです。
#3.仮想記憶ディスクの誤った設定
Photoshopで仮想記憶ディスクに関する設定が不適切である場合も、仮想記憶ディスクエラーが発生することがあります。
例えば、十分な空き容量のないドライブをスクラッチディスクに指定した場合、速度の遅いドライブや断片化の激しいドライブを仮想記憶ディスクとして選択した場合、仮想記憶ディスクとして設定したドライブが破損したり、アクセス権の問題があったり場合、その結果、仮想記憶ディスクが正常に機能できず、容量不足のエラーメッセージが表示されます。
#4.他のアプリケーションによるディスク容量の占有
コンピューターで実行されている他のアプリケーションが同時に大量のディスク容量を使用していると、Photoshopの仮想記憶ディスクの空き容量が減少し、スクラッチディスク不足エラーを引き起こす可能性があります。
例えば、動画編集ソフトなどで大きな動画ファイルをキャッシュしたり、ダウンロード中の大きなファイルを保存していたりすると、仮想記憶ディスクに割り当てているドライブの空き容量が減り、「仮想記憶ディスクの空き容量がありません」エラーにつながります。
「仮想記憶ディスクの空き容量がありません」エラーの対処法
このセクションでは、Photoshopでこの問題を解決する実用的な解決策を7つご紹介します。詳細な手順は以下をご覧ください。
方法1.ディスク容量を解放する
前述の通り、この問題の主な原因はディスク容量不足です。従って、仮想記憶ディスクのディスク容量を解放して、空き領域を増やす必要があります。
Adobeによると、Photoshopを使用する際は、ハードドライブに少なくとも20GBの空き容量を確保することが推奨されています。作業するファイルの種類によっては、追加の空き容量が必要になる場合があります。
仮想記憶ディスクの容量が不足している場合は、不要なファイルを削除するか、ファイルを別の場所に移動して空き容量を増やしてみましょう。
不要なファイルを削除する
PC上の不要なファイルを削除するには、MiniTool Partition Wizardを使うことをおすすめします。このソフトに備えた「ディスク使用状況分析」機能を使えば、ハードドライブの容量を占有しているものを簡単に特定し、不要なファイルやアプリを安全に削除できます。
下のガイドに従って、MiniTool Partition Wizardで不要なファイルを削除しましょう。
MiniTool Partition Wizard Freeクリックしてダウンロード100%クリーン&セーフ
ステップ1:無料なMiniTool Partition Wizardを起動してメインインターフェイスに入ります。次に、上部のリボン領域から「ディスク使用状況分析」をクリックします。

ステップ2:次のウィンドウで、ドロップダウンメニューからPhotoshopの仮想記憶ディスクとして設定したドライブ(通常はCドライブ)を選択し、「スキャン」をクリックします。

ステップ3:スキャン処理が完了すると、スキャンしたドライブの合計容量、使用容量、空き容量が表示されます。不要なファイルやフォルダを見つけて右クリックし、「削除(完全に)」を選択します。

あるいは、「ファイルビュー」タブに移動し、検索ボックスに削除したいファイルの名を入力して「適用」をクリックします。それで、関連するファイルのディスク使用量が表示されます。

MiniTool Partition Wizardは、ディスク容量解析ソフトであるだけでなく、パーティションマネージャーとしても機能します。ハードドライブ上のパーティション分割、ハードドライブのクローン作成、クラスターサイズの変更、MBRからGPTへの変換、OSからSSDへの移行、ハードドライブから失われたデータの復元など、さまざまな機能を備えています。
ファイルを別の場所に移動する
必要なファイルを削除したくない場合は、仮想記憶ディスクから別のドライブに移動して保存できます。
Windowsでファイルを移動するには、エクスプローラーで移動したいファイルを見つけ、右クリックして「切り取り」を選択します。次に、新しい場所に移動してもう一度右クリックし、「貼り付け」を選択します。
方法2.仮想記憶ディスクを変更する
「仮想記憶ディスクの空き容量がありません」という問題を解決するもう一つの方法は、仮想記憶ディスクを変換することです。具体的な手順は次のとおりです。
ステップ1:Photoshopの環境設定を開きます。
Photoshopを起動し、「編集」>「環境設定」>「仮想記憶ディスク」を選択します。
ステップ2:新しい仮想記憶ディスクを選択します。
ポップアップしたウィンドウで、Cドライブはデフォルトで仮想記憶ディスクとして設定したことが見えます。ここで、空き容量の多い別のドライブを選択して、仮想記憶ディスクとして設定することができます。
また、複数のドライブを仮想記憶ディスクとして使用することも可能です。Photoshopは、指定した順位に従ってドライブを使用します。ドライブリストの横にある上下の矢印ボタンをクリックすると、仮想記憶ディスクの順位を変更できます。
ステップ3:変更を適用してPhotoshopを再起動します。
新しい仮想記憶ディスクを選択したら、「OK」をクリックして変更を保存します。新しい設定を有効にするには、Photoshopを再起動する必要があります。

Photoshopを再起動した後、新しい仮想記憶ディスクが使用され始めます。以前の仮想記憶ディスクの空き容量不足が問題の原因である場合は、この方法が順調に問題を解決できると思います。
方法3.Photoshopの一時ファイルを削除する
Photoshopの一時ファイルが多すぎると、「仮想記憶ディスクの空き容量がありません」エラーを引き起こす可能性があるので、下の手順に従って、一時ファイルを削除してみましょう。
ステップ1:「Win+R」キーを押して「ファイル名を指定して実行」ダイアログボックスを開きます。「appdata」と入力して「Enter」キーを押します。
ステップ2:「Local」>「Temp」に移動し、「~PST####.tmp」で始まるファイルを探します。(####は数字の羅列です)
ステップ3:これらのファイルを右クリックし、「削除」を選択します。
方法4.Photoshopのパフォーマンス設定を最適化する
Photoshopのパフォーマンス設定を最適化することも、仮想記憶ディスクがいっぱいになった問題の解決に役立ちます。パフォーマンスを最適化すると、メモリ使用量を調整したり、ヒストリーの状態を制限したりします。具体的な手順は次のとおりです。
メモリ使用量の調整
Photoshopは既定で、システム上で使用可能なRAMの約70%を使用するように設定されています。RAMを多く搭載しているなら、環境設定でこの割合を手動で調整することで、より多くのRAMを割り当て、処理や大きなファイルの扱いを安定させやすくなります。Photoshopが使用可能なRAMの割合を手動で調整する方法は以下の通りです。
- Photoshopで、「編集」>「環境設定」>「パフォーマンス」を選択します。
- 「メモリの使用状況」セクションでスライダーを右に動かすと、Photoshopに割り当てられるRAMの量を増やします。

ヒストリーの保存数を制限
Photoshopは、ヒストリーパネルで実行した操作の記録を保持します。ヒストリーの保存数が増えるほど、情報の保存に必要なディスク容量が増加していきます。ヒストリーの保存数はデフォルトで50に設定されています。この数を減らすことで、空き容量を増やすことができます。
「パフォーマンス」ウィンドウで「ヒストリー&キャッシュ」セクションで、「ヒストリー数」の値を20や30などの低い数値に設定してください。
これにより、Photoshopがヒストリーに保存するアクションの数が制限され、ヒストリー保存に使用されるディスク容量を削減することができます。
方法5.復元情報の自動保存を無効にする
復元情報の自動保存は、クラッシュに備えて定期的に作業内容を保存する便利な機能です。ただし、この機能は追加の一時ファイルを生成し、仮想記憶ディスクの容量を消費することがあります。
そのため、復元情報を定期的に保存する機能を無効にすることは仮想記憶ディスクの容量を増やすことができます。
ステップ1:Photoshopで、「編集」>「環境設定」>「ファイル管理」を選択します。
ステップ2:「ファイル管理」環境設定で、「復元情報を次の間隔で自動保存」のチェックボックスをオフにします。
ステップ3:「OK」をクリックして変更を適用します。

方法6.Photoshopのキャッシュをクリアする
Photoshopは操作を高速化するためにキャッシュデータを保存します。時間の経過とともに、キャッシュファイルのサイズが大きくなり、一定のディスク容量も消費しています。
Photoshopのキャッシュをクリアするには、「編集」>「メモリをクリア」>「すべて」を選択します。ポップアップしたウィンドウで「はい」をクリックして続行します。
これにより、クリップボード、ヒストリー、などPhotoshopのキャッシュデータが一括にクリアされます。

方法7.仮想記憶ディスクの領域を拡張する
仮想記憶ディスクの領域を増やすことの上に、ドライブ上の他のパーティションに空き容量がある場合は、それらの空き容量を利用する仮想記憶ディスクの領域を拡張することもできます。
MiniTool Partition Wizardの「パーティション拡張」機能を使えば、既存のパーティションや未割り当て領域から空き領域を取得して、同じディスク上のパーティションをデータ損失なしで拡張できます。
MiniTool Partition Wizard Freeクリックしてダウンロード100%クリーン&セーフ
ステップ1:MiniTool Partition Wizardを起動し、メイン画面に入ります。
ステップ2:拡張したいパーティションを選択し、左側のアクションパネルから「パーティション拡張」を選択します。

ステップ3:ポップアップしたウィンドウで、「以下の空き領域から」のドロップダウンリストを開き、空き領域を取得したいパーティションまたは未割り当て領域を選択します。次に、青いブロックをドラッグして、占めるスペースの量を決定して、「OK」をクリックします。

ステップ4:メインインターフェイスに戻り、拡張されたパーティションをプレビューします。次に、「適用」ボタンをクリックして保留中の操作を実行します。

方法8.ハードドライブをアップグレードする
サイズが大きなPhotoshopプロジェクトに頻繁に取り組んでいて、常に仮想記憶ディスクエラーに遭遇する場合は、ハードドライブのアップグレードを検討する価値があります。
ここで、元のディスクからより大容量のディスクにアップグレードすること、2台目のハードドライブを追加して取り付けることという2つの方法を提供します。
オプション1:より大容量のディスクにアップグレードする
既存のハードドライブをより大きなハードドライブに交換すると、オペレーティングシステム、アプリケーション、および仮想記憶ディスクの使用にさらに多くのスペースが提供されます。
また、もしHDDからSSDへのアップグレードを行えば、ディスク速度が大幅に向上します。SSDはHDDに比べて読み書きが非常に速いため、Adobe Photoshopで仮想記憶ディスクを使うときでも、データへのアクセスが速くなり、操作がスムーズになる可能性が高くなります。
データを失わずにハードディスクをアップグレードしたい場合は、ぜひMiniTool Partition Wizardを試してください。「ディスクコピー」機能は、オペレーティングシステム、アプリケーション、ファイル、設定を含むシステム全体を、より大きなディスクにクローンすることができます。
では、下のガイドに従って、MiniTool Partition Wizardを使ってディスクをクローンしましょう。
MiniTool Partition Wizard Pro Demoクリックしてダウンロード100%クリーン&セーフ
ステップ1:USBケースまたはアダプターを介して、大容量ドライブをコンピューターに接続します。MiniTool Partition Wizardを起動し、メインインターフェイスに入ります。コピーしたいディスクを右クリックし、「コピー」を選択します。

ステップ2:大容量なハードドライブを行先ディスクとして選択し、「次へ」をクリックして続行します。警告ウィンドウが表示され、行先ディスク上のすべてのデータが破棄されることが通知されます。「はい」をクリックします。

ステップ3:変更項目を確認します。デフォルトのオプションとレイアウトをそのまま使用することも、必要に応じて調整することもできます。「次へ」をクリックします。

ステップ4:「完了」>「適用」ボタンをクリックして、保留中の操作を実行します。

オプション2:2台目のハードドライブを追加して取り付ける
もう一つの方法は、Photoshop専用のハードディスクを追加して取り付けることです。既存のハードドライブを交換したくない場合は、この方法が便利で適切です。その後、Photoshopでこの新しい仮想記憶ディスクとして設定するように使用できます。
仮想記憶ディスクがいっぱいになった問題を防ぐ方法
この問題が再発しないようにするには、次の予防策をご参照ください。
#1.ハードドライブを定期的にクリーンアップする
ハードドライブ、特に仮想記憶ディスクとして使用しているドライブを定期的にクリーンアップすることが重要です。不要なファイルを削除したり、使っていないアプリケーションをアンインストールしたり、ディスククリーンアップツールを活用したりすることができます。
#2.ディスク容量を定期的にチェックする
仮想記憶ディスクの空き容量を常に確認しましょう。容量が減ってきたら、すぐに空き容量を増やすか、スクラッチディスクの割り当て先を別の空き容量のあるドライブに変更するのが役に立ちます。
#3.Photoshopプロジェクトを整理する
PSDファイルで作業する際、不要なレイヤー、チャンネル、パスを整理して削除しましょう。また、編集中に高解像度が不要な場合は、あらかじめ解像度を下げることで、仮想記憶ディスクやメモリ使用量を抑えることができます。
結論
WindowsでPhotoshopを使用している際に、「仮想記憶ディスクの空き容量がありません」というエラーが発生した場合は、本記事で紹介した対処策を参照して、問題を解決してみましょう。
ディスク容量の解放、仮想記憶ディスクの変更、Photoshopパフォーマンス設定の最適化など、自分のニーズに応じて、適切な解決策を実行してみましょう。この厄介なエラーを素早く解消することを願っています。
MiniTool Partition Wizardについてご質問やご提案がございましたら、[email protected]までお気軽にお問い合わせください。
