上級の写真愛好家であれば、CFexpress Type A・B・C、XQDとSDカード、CFカードとSDカード、SDHCとSDXCなど、メモリカードの種類や選択肢が多くあります。本記事では、CFexpressカードとXQDカードの違いに焦点を当てて詳しくご紹介します。興味があれば、ぜひお読みください。
XQDカードとは?
XQDカードは、主にフラッシュメモリカード向けに開発されたメモリカードの一種で、データ転送インターフェースとしてPCI Express(PCIe)を採用しています。理論上のデータ転送速度は、初期の規格であるXQD 1.0では最大125MB/s(約1Gbps)でしたが、2012年に発表されたXQD 2.0ではPCIe 3.0を用いて最大1GB/s(約8Gbps)まで向上しました 。ストレージ容量については、規格上2TBを超える容量にも対応可能とされています 。

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XQDカードは、CompactFlashカードの後継として、高解像度カメラやハイビジョンビデオカメラ向けに設計されましたが、CompactFlashカードやCFastカードとの下位互換性はありません。2010年11月にSanDisk、Sony、Nikonによって初めて提案され、2011年12月にCompactFlash Association(CFA)によって最終仕様が発表されました。
現在市場に出回っているXQDカードは主にバージョン2.0で、PCIe 3.0インターフェースを採用しています。しかし、CFAは2016年9月にXQDの後継として、より高速で低遅延、低消費電力を実現する新しいメモリカード規格「CFexpress」を発表しました。
CFexpressカードとは?
CFexpressカードは、XQDカードと同様にPCIeインターフェースを採用していますが、NVMeプロトコルを使用することで、データ転送速度の向上、消費電力の削減、レイテンシの低減が実現できます。このカードには、Type-A、Type-B、Type-Cの3種類のフォームファクターがあり、それぞれPCIeレーン数と物理的な寸法が異なります。

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CFexpress 1.0カードは、XQDカードと同じフォームファクターを採用し、PCIe 3.0インターフェースの2レーンを使用して、最大2GB/秒の転送速度を実現します。この仕様は、2017年4月18日にCompactFlash Association(CFA)によって発表されました 。その後、CFexpressカードにはより高度なPCIeインターフェースとレーン数が追加されました。2023年8月には、PCIe 4.0インターフェースを採用したCFexpress 4.0が発表され、最大8GB/秒の転送速度を実現しています 。
上記の2つのカードの定義から、XQDカードとCFexpressカードの概要はご理解いただけたかと思います。つまり、CFexpressはXQDの後継カードです。さらに詳しく知りたい方は、以下の部分をご覧ください。
これまでの説明から、XQDカードとCFexpressカードの概要については理解したでしょう。つまり、CFexpressはXQDの後継カードとして位置付けられています。さらに詳しい違いに興味があれば、以下のセクションをご覧ください。
XQDとCFexpressカードの異なり
このセクションでは、XQDとCFexpressカードの違いを以下の主な7つの面から分析します。
# 1. データ転送速度
カメラ用メモリカードを選ぶ際、転送速度は非常に重要な要素です。特に高速連写や高解像度動画の撮影では、カードの性能が撮影効率に大きく影響します。これから、XQDカードとCFexpress Type Bカードの転送速度の違いについて詳しく解説します。
XQDバージョン2.0カードの理論上の最大速度は1GB/秒に達しますが、実際の製品では速度に差があります。例えば、主要メーカーであるソニーのGシリーズXQDカードは、最大読み出し速度440MB/秒、最大書き込み速度400MB/秒となります。
CFexpress Type Bカードは、XQDカードと同じフォームファクターを持ちながら、より高速なPCIe 3.0インターフェースを採用しているので、より速い転送速度が備えています。特にCFexpress 4.0ではPCIe 4.0インターフェースを採用し、理論上の最大転送速度は4GB/秒に向上しています。例えば、Lexar Professional CFexpress Type Bカードでは、最大読み出し速度3600MB/秒、最大書き込み速度3330MB/秒を実現しています 。
でも、実際の使用環境では、理論上の最大速度が常に発揮されるわけではありません。お使いのメモリカードの実際な読み取り速度と書き込み速度を知りたいなら、メモリカードのパフォーマンスがテストできるツールMiniTool Partition Wizardの使用を強くお勧めします。
ステップ1:下記のダウンロードボタンを押してMiniToolソフトウェアパッケージを入手し、PCにインストールしてください。その後、カードリーダーを通してメモリカードをPCに接続してください。
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ステップ2:ソフトウェアのメインインターフェースで、上部のリボンバーから「ディスクベンチマーク」をクリックします。
ステップ3:ドロップダウンメニューからメモリカードのドライブ文字を選択し、転送サイズ、合計長、キュー番号などのその他の設定を行います。「開始」をクリックして測定を始めます。

# 2. PCIeインターフェース
XQDカードとCFexpressカードのもう一つの大きな違いは、使用されているPCIeインターフェースです。どちらのカードもPCIe転送インターフェースを使用していますが、バージョンや使用しているレーンの数が異なります。具体的には、XQDカードはPCIe 2.0の2レーンを使用しており、一方でCFexpress Type BカードはPCIe 3.0または4.0の2レーンを搭載しています。この違いにより、CFexpressカードはXQDカードよりも高速なデータ転送を可能にしています。
違いをより直感的に理解するために、XQDカードとCFexpressカードのPCIeインターフェースを以下にリストします。
メモリカード | バージョン | インターフェース |
XQD | 1.0 | PCIe 2.0 x1 |
2.0 | PCIe 2.0 x2 | |
CFexpress | 1.0 | PCIe 3.0 x2 |
2.0 | PCIe 3.0 x1 (Type-A) PCIe 3.0 x2 (Type-B) PCIe 3.0 x4 (Type-C) | |
4.0 | PCIe 4.0 x1 (Type-A) PCIe 4.0 x2 (Type-B) PCIe 4.0 x4 (Type-C) |
# 3. 寸法
カメラに挿入できるメモリカードの種類は、カードの物理的な寸法によって決まります。XQDカードとCFexpress Type-Bカードは同じフォームファクター(38.5mm × 29.8mm × 3.8mm)を採用しており、これらのカードをサポートするカメラでは互換性があります。
一方、CFexpress Type-Aカードは20.0mm×28.0mm×2.8mmと小型で、Type-Cカードは54.0mm×74.0mm×4.8mmと大型です。これらのサイズの違いにより、Type-AおよびType-Cカードは、それぞれ専用のスロットを持つカメラでのみ使用可能です。
# 4. メーカー
XQDは比較的古い規格を採用しているため、対応するメーカーや容量のバリエーションが限られています。主にソニー、ニコン、デルキンといった少数のメーカーによって製造されています。また、これらのカードは、64GB、120GB、240GBなどの容量で提供されており、最大でも240GBまでとなっています 。
一方、CFexpressカード、特にType-Bカードのメーカーは、レキサー、サンディスク、Angelbird、ソニー、デルキンなどをはじめ、他のニッチブランドも市場に活躍しています。64GBから最大4TBまでの幅広い容量バージョンヲ提供しており、特に大容量モデルでは高解像度の動画撮影や連写撮影に適しています 。
# 5. 下位互換性
下位互換性の面から見ると、CFexpress Type-BカードとXQDカードの違いが際立っています。CFexpress Type-Bカードは、XQDフォームファクターをサポートするカメラやカードリーダーと物理的にも機能的にも下位互換性がありますが、XQDカードはType Bデバイスでは使用できません。
ただし、XQDフォームファクターを対応するすべてのデバイスがType-Bカードをサポートしているわけではありません。一部の古いカメラでCFexpress Type-Bカードを使用したいなら、まずCFexpress対応のファームウェアを更新する必要があります。
# 6. 価格
一般的に、CFexpressカードはXQDカードよりも安価です。これは、CFexpressカードが多くのメーカーから提供されており、競争が激しいため、価格が抑えられているからです。一方、XQDカードは主にソニーなど限られたメーカーが製造しており、選択肢が少ないことから価格が高めに設定されています。
例えば、ソニーの240GB CFexpress Type-Bカードは約25,600円(税込)で販売されていますが、同じ容量のソニーXQDカードは40,330円(税込)となっています。価格差は1.5倍です。
# 7. 使い所
XQDカードとCFexpressカードの使い所も違います。CFexpressカードは、8Kなどの高解像度の動画を録画したり、高速連写をしたりするなどの高速処理が求められるプロフェッショナルやハイアマチュアの撮影に適しています。XQDカードは主に、ニコンZ6やZ850などの一部の古いカメラで使用されています。
XQDとCFexpress:どちらがカメラに更に適切なのか?
現在のカメラ市場において、CFexpress Type Bカードは高速なデータ転送速度、広範な互換性、競争力のある価格設定により、多くのユーザーにとって最適な選択肢となっています。でも、すべてのXQD対応カメラがCFexpress Type Bカードに対応しているわけではないので、メモリカードを購入する前にカメラの互換性やファームウェアの対応状況を確認したことが重要です。
XQDやCFexpressカードを効果的に管理する方法
XQDカードでもCFexpressカードでも、カメラで使用する前に対応するファイルシステムにフォーマットする必要があります。ファイルシステムがカメラにサポートされていない場合、カードは認識されないかもしれません。簡単かつ便利にメモリカードをフォーマットするには、MiniTool Partition Wizardをお試しください。このソフトを利用すると、カードをFAT16、FAT32、exFAT、NTFS、Ext2/3/4など、様々なファイルシステムに簡単にフォーマットできます。
さらに、このツールでは、SD カードのクラスターサイズの変更、ラベルの設定、シリアル番号の変更、カード上のパーティションの表示/非表示の切り替え、データ損失なしでの FAT32からNTFSへの変換 (逆も同様)、ファイルシステムエラーの修復などを行うことができます。
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ステップ1:メモリカードをコンピューターに挿入し、ソフトウェアを実行してメインUIに入ります。
ステップ2:カードのパーティションを選択し、左側のアクションパネルから「パーティションフォーマット」をクリックします。

ステップ3:「ファイルシステム」ドロップダウンメニューから「exFAT」または「FAT32」を選択し、「OK」をクリックします。ここで、メモリカードのクラスターサイズが変更できます。
ステップ4:「適用」ボタンをクリックしてフォーマット操作を実行します。

この記事では、CFexpressカードとXQDカードの違いについて詳しく説明します。どちらのカードがカメラに適しているか分からない場合は、この記事が役立つと思います。Twitterでシェア
結語:
記事はここで終わりです。XQDカードとCFexpressカードの違いについて少し理解したでしょう。MiniTool Partition Wizardについてご疑問がございましたら、[email protected]までお気軽にお問い合わせください。可能な限り早く返信いたします。