パソコンの動作が遅く感じる原因の一つが、ストレージの性能不足です。近年注目されるOptaneとNVMe SSDですが、仕組みや速度の違いが分からず選択に迷う方も少なくありません。本記事ではOptaneとNVMeの基本知識から性能比較、パソコンへの導入方法、速度テストの手順までわかりやすく解説します。

パソコンの動作速度は、多くの場合ストレージの性能に左右されます。従来のHDDに代わり、現在の主流はSSDです。中でも高速なタイプとして知られるのが、IntelのOptaneと、NANDフラッシュを採用したNVMe SSDです。同じ「高速SSD」として語られがちですが、仕組みや得意分野には明確な違いがあります。以下では、OptaneとNVMe SSDの違いを初心者にもわかりやすく整理します。

Optaneとは?

Optane(オプテイン)は、Intelが展開していた不揮発性ストレージ技術です。核となるのは、IntelとMicronが共同開発した「3D XPoint(スリーディー・クロスポイント)」という記憶媒体で、DRAMとNANDフラッシュメモリの中間に位置する性能とコストの実現を目指して開発されました。同じ技術をベースにしたMicron製品は「QuantX」という名称で販売されています。

3D XPointの性能面の特長

Intelの公表データによると、3D XPointは当時主流だったNANDフラッシュと比較して、次のような優位性を持つとされています。

  • レイテンシー(応答遅延):最大10倍低減
  • 書き込み耐久性:約3倍向上
  • IOPS(1秒あたりの読み書き回数)・読み書き速度:3〜4倍向上
  • 消費電力:約30%削減

これらの特性により、Optaneは理論上、高い応答速度と長寿命を両立できるストレージ技術とされていました。

Optane製品の2つの形態

  1. Optaneメモリ(キャッシュ用途):16GBや32GBといった小容量モデルで、主にノートパソコン向けに提供されます。メインストレージとしてではなく、HDDやSATA SSDとシステムメモリ(RAM)の間に置かれる高速キャッシュとして機能し、よく使うデータを保持することでアプリの起動やシステム全体の動作を高速化します。
  2. Optane SSD(大容量モデル):極限の性能を求めるエンタープライズ用途やPC愛好家向けに展開され、単体のストレージとして高いパフォーマンスを発揮します。

Optaneの現状(生産終了について)

3D XPoint技術は製造コストが高く、価格の高さが普及の妨げとなりました。市場の反応が思わしくなかったことから、Micronは2021年に3D XPoint関連工場を売却し、Intelも2022年に同技術への追加投資の打ち切りを発表しています。そのため現在Optane製品はほぼ生産終了となっており、新規での入手が難しくなっている点に注意が必要です。

NVMeとは?

NVMe(Non-Volatile Memory Express)は、NANDフラッシュメモリを使用するM.2インターフェイスのSSD向けに設計された、データ転送のための通信プロトコル(規格)です。

わかりやすく言えば、NVMeは「データが記憶セルに届くまでの交通ルール」のようなものです。転送キューで一度に運べるデータ量や、各転送のブロックサイズなど、データのやり取りの方法を細かく規定しています。

この緻密な制御により、NVMeプロトコルはNANDフラッシュメモリの性能を最大限に引き出し、従来のインターフェイス(SATAなど)よりも高速な伝送とより低いレイテンシーを実現します。結果として、パソコン全体の応答速度やデータの読み書き効率が大きく向上します。

Optane SSDとNVMe SSDの比較

OptaneとNVMeの違いを語る際は、通常「Optane SSD」と「NVMe SSD」の比較が中心になります。以下の表で、主な項目ごとに両者の違いを整理しました。

比較項目Optane SSDNVMe SSD(NAND型)
ストレージメディア3D XPointNANDフラッシュ
バス規格PCIePCIe
プロトコルNVMeNVMe
インターフェイス一般向け:M.2 法人向け:EDSFF(U.2、E1.Sなど)主にM.2(一部エンタープライズ向けはU.2など)
ランダム読み書き速度・IOPS非常に高く、小さいファイルの頻繁な読み書きに強い世代(PCIe3/4/5)により変動、Optaneに劣ることが多い
シーケンシャル読み書き速度世代相応。最新のPCIe4/5 NVMe SSDに劣る場合がある最新世代(PCIe4/5)は非常に高速
レイテンシー極めて低いOptaneよりやや高い傾向
書き込み耐久性非常に高い
製品グレードにより差が大きい
価格高価比較的手頃、選択肢が豊富
入手性生産終了、新品の入手は困難現行製品が多数流通、入手しやすい

Optane(メモリ/SSD)をパソコンに導入する方法

前章で触れた通り、Optane製品には「Optaneメモリ(キャッシュ用途)」と「Optane SSD(通常のストレージ用途)」という異なる形態があり、パソコンへの導入方法もこの2つで大きく異なります。ここではケース別に手順を紹介します。

ケース1:Optaneメモリを既存ドライブの高速化(アクセラレーション)に使う

このケースで使うOptane製品は、通常16GBや32GBといった小容量の「Optaneメモリ」です。役割は、キャッシュ技術によって既存の低速ストレージ(HDDやSATA SSDなど)の読み書き速度を高めることにあり、この小容量モデル単体をWindowsのインストール先として使うことはできません。

Optaneメモリをアクセラレーション デバイスとして使用するには、次のガイドを参照してください。

ステップ1:お使いのパソコンがOptaneメモリと互換性があることを確認します。要件は次のとおりです。

  • Windows 10 x64
  • 第7世代(またはそれ以降)Intel Coreプロセッサ
  • Intel 200シリーズチップセット(またはそれ以降)

ステップ2:Optaneメモリをパソコンに取り付けます。ほとんどの場合、ポートはPCIe M.2です。そのため、手順はM.2 SSDの取り付けと同様です。

ステップ3:Intel Cache Acceleration Softwareをダウンロードしてインストールします。

ステップ4:そのメイン画面に入り、加速モードを選択して「入力リスト」で加速したいパーティションを追加します。

ステップ5:ウィザードに従ってセットアップを完了します。

提示:
Intel RSTドライバーやOptaneドライバーで高速化する場合は、事前にBIOSでハードドライブのモードをAHCIからIntel RSTモード、RAID Onモードなどに変更したうえで、Windowsを再インストールする必要があります(そうしないとシステムに認識されません)。その後、Intel RSTドライバーまたはOptaneドライバーをインストール・設定してください。

ケース2:Optane SSDを通常のストレージとして使う

こちらは大容量の「Optane SSD」を、通常のSSDと同じようにメインストレージとして使うケースです。専用ソフトは不要で、SSDをパソコンに取り付けたあと、OSを新規インストールするか、既存のOSを移行すればそのまま使用できます。OSの移行にはMiniTool Partition Wizardが利用できます。手順は以下のとおりです。

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ステップ1:MiniTool Partition Wizardを起動してメインインターフェースに入ります。

ステップ2:左側のアクションパネルから「OSをSSD/HDDに移行」をクリックします。

MiniTool Partition Wizardで「OSをSSD/HDDに移行」をクリック

ステップ3:ポップアップウィンドウでOSの移行方式を選択して「次へ」をクリックします。ディスク全体を移行する場合はオプションA、OSのみを移行したい場合はオプションBを選択してください。

OSの移行方式を選択して「次へ」をクリック

ステップ4:Optane SSDをターゲットディスクとして選択し、「次へ」をクリックします。警告ウィンドウが表示されたら、「はい」をクリックして続行します。

Optane SSDをターゲットディスクとして選択し、「次へ」をクリック

ステップ5:コピーオプションを選択し、ターゲットディスクのレイアウトを調整して「次へ」をクリックします。

コピーオプションを選択し、ターゲットディスクのレイアウトを調整して「次へ」をクリック

ステップ6:注意事項をお読みになり、「完了」をクリックします。次に、「適用」ボタンをクリックして、OS移行操作の実行を開始します。

「適用」ボタンをクリック

ステップ7:BIOSに入り、Optane SSDからパソコンを起動するように設定します。

SSDの速度をテストする方法

Optane SSDやNVMe SSDを導入したら、実際の読み書き速度を確認しておくと安心です。MiniTool Partition Wizardの「ディスクベンチマーク」機能を使えば、SSDの速度を簡単に測定できます。この多機能なソフトウェアにより、OSの移行だけでなく、ハードドライブのクローン作成パーティション分割MBRからGPTへの変換(データ損失なし)、ハードドライブのデータ復元、ディスクの速度テストなどの操作も実行できます。

MiniTool Partition Wizardを使用してハードドライブの速度をテストする方法をご案内します。

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ステップ1:MiniTool Partition Wizardのメインインターフェースに入り、画面上部のツールバーから「ディスクベンチマーク」をクリックします。

MiniTool Partition Wizardで「ディスクベンチマーク」をクリック

ステップ2:テストに必要なパラメータを設定し、「開始」をクリックします。ディスクベンチマークの各パラメータの説明をご確認ください。

パラメータを設定し、「開始」をクリック

OptaneとNVMe SSDは何が違う?特徴・速度比較からインストール方法、SSD速度テストの手順まで徹底解説!Twitterでシェア

よくある質問(FAQ)

Intel OptaneはNVMe SSDで動作しますか?
すべてのOptane SSDはNVMeプロトコルを使用しており、高速なPCIeバスを最大限に活用してデータ転送を行います。
Optane SSDとNVMe SSDでは速度にどのような違いがありますか?
インターフェイスとNVMeのバージョンが同じ条件で比較した場合、一般的にOptane SSDの方がNVMe SSD(NAND型)よりも速度・パフォーマンスに優れています。
Intel OptaneとPCIe 4のNVMe SSDはどちらが速いですか?
技術の進歩により、PCIe 4やPCIe 5に対応したNVMe SSDが登場し、シーケンシャル読み書き速度ではOptane SSDを上回るケースも出てきています。ただし、Tom's Hardwareが発表した2025年のSSD性能ランキングによれば、PCIe 3世代のOptane SSDでも、ランダム読み書き速度ではPCIe 4/PCIe 5のNVMe SSDを大きく上回っています。小さなファイルを頻繁に読み書きする用途では、Optane SSDに依然として大きな優位性があります。
OptaneとM.2は同じものですか?
いいえ、すべてのOptane SSDが共通のM.2インターフェイスを採用しているわけではありません。M.2を使うモデルもありますが、多くはU.2、HHHL、E1.Sなど別のインターフェイスを採用しています。
Optaneは今から購入する価値がありますか?
生産終了により新品の選択肢は限られますが、ランダム読み書き性能や耐久性は依然として優秀です。中古市場などで入手できる場合、小さなファイルを頻繁に読み書きする用途では今でも十分な価値があります。ただし保証やサポートが受けにくい点は考慮しておきましょう。

まとめ

本記事では、Optaneとは何か、NVMeとは何かという基礎知識から、Optane SSDとNVMe SSDの違い、Intel OptaneとPCIe 4の比較、OptaneとM.2の違いまで幅広く解説しました。あわせて、Optaneメモリ・Optane SSDをパソコンに導入する方法や、MiniTool Partition WizardでSSDの速度をテストする方法もご紹介しています。ストレージ選びの際は、価格・速度・入手性のバランスを踏まえて、用途に合った製品を選びましょう。

MiniTool Partition Wizardの使用中に何かご不明な点やご意見がございましたら、お気軽に[email protected]までご連絡ください。

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